老後のためのバリアフリー・リフォームのポイント
私たちにとって「お家」とは安心・安全で快適な空間です。
でも、そんなお家が、歳を重ねるにつれて、日常の動作が困難な場所が増えていきます。
階段を上がるのがきつくなったり、浴室の滑りやすくて心配になったり、湯船をまたぐのに苦労したり・・・。
このような変化に備えて、老後も快適に過ごせるためのバリアフリーリフォームについて考えることが重要です。
ここでは、老後の生活を豊かで快適なものにするための、実践的なリフォームのポイントについてご紹介します。
バリアフリーリフォームの基本
バリアフリーリフォームは、すべての人が安全かつ快適に生活できるように住環境を整えることを目指しています。
それは特に年齢による身体的な変化に対応し、日々の生活を支えるために重要になります。
以下では、リフォームで重要となるポイントをご紹介していきます。
1. 生活しやすい環境づくり
家の中の段差をなくしたり、手すりをつけたり、滑りにくい床材を使ったり、お家の中での移動を容易にして、生活しやすい環境を作ることが重要です。
玄関や階段など、日常的によく使う場所を中心に、移動しやすくする改善を行います。
2. 安全性の確保
リフォームをする際、滑ったり転んだりといった事故のリスクを減らすための対策も重要です。
浴室に滑り止めマットや手すりを設置し、部屋の照明を明るくすることで、安全に過ごせるようにします。
これらの安全対策は、快適な老後の生活にとって非常に重要です。
3. 使いやすさを考えた改善
日常生活での使いやすさを考慮した改善も大切です。
例えば、キッチンやトイレの高さを調整したり、手の届きやすい場所に収納を設置したりすることで、使い勝手の良い住環境を作ります。
4. 柔軟性と将来を見据えた設計
将来的に車椅子を使うことを考えてあらかじめ十分なスペースを確保するなど、将来の生活の変化に柔軟に対応できるよう、リフォームを計画する際は先を見据えた設計が重要になります。
バリアフリーリフォームは、単に使いやすさだけでなく、安全性と快適性を高めることを目的としています。
老後の豊かな生活のために、これらのポイントを踏まえて計画しましょう。
それでは、具体的に各部屋ごとのリフォームのポイントを見ていきましょう。
各部屋ごとのリフォームポイント
1. 玄関と廊下
- 段差の解消: 玄関の段差をなくし、スムーズな出入りを実現します。
- 手すりの設置: 廊下に手すりを設置して、歩行時の安定性を高めます。
- 照明の改善: 明るく均一な照明で視認性を向上させ、夜間の移動を安全にします。
2. 階段
- 手すりの強化: 両側にしっかりとした手すりを設置して、上り下りを安全にします。
- 滑りにくい素材: 階段の踏み面を滑りにくい素材に変更します。
- 段差の視認性向上: 段差の端に色をつけ、視認性を高めます。
3. 浴室
- 滑り止めの設置: 床に滑り止めのマットやタイルを使用します。
- 手すりの設置: 浴槽の周りやシャワーの場所に手すりを設置します。
- 座って入浴できる浴槽: 入浴しやすいように、浅めの浴槽やシャワーチェアの導入も有効です。
4. トイレ
- 高さ調節可能な便座: 身体に合わせて高さが調節できる便座を選びます。
- 手すりの設置: 便座の両側に手すりを設置して、立ち上がりや座る際の支援をします。
- 非接触式の設備: 清潔さを保ちやすく、操作が簡単な非接触式の設備を導入します。
5. キッチン
- 作業台の高さ調整: 作業しやすい高さにキッチンの作業台を調整します。
- 引き出し式収納の導入: 下部キャビネットを引き出し式にすることで、収納物へのアクセスを容易にします。
- 床の滑り止め: キッチンの床は水や油で滑りやすいため、滑りにくい素材を選びます。
これらのポイントを踏まえて、それぞれの部屋ごとに適切なリフォームを行うことで、老後の生活がより安全で快適なものになります。
老後も快適な住まい作りのために
ここでは、老後のためのバリアフリー・リフォームの重要性と具体的なポイントをご紹介しました。
リフォームは単に家の見た目を変えるだけでなく、生活の質を高め、日々の暮らしを安全で快適にするための重要なステップです。
また、バリアフリーを中心にお話してきましたが、安心・安全という意味でいうと、急な体調変化など、緊急時に備えて緊急コールシステムを設置したり、地震や火事などの災害に備えて非常用品を容易にアクセスできる場所に備えておくことなども重要です。
バリアフリーリフォームは、ただの改修ではなく、ご家族が快適に過ごせるための長期的な投資です。
小さな改善からでも構いませんので、老後を安心して迎えるために、今からできることを検討したいという方はお気軽にご相談ください。